ドイツのシーメンス社は、今後、原発建設にはかかわらない理由として「原子力エネルギーは使わないというドイツ社会と政治の明確な見解に対する企業としての答えだ」としています。
脱原発世論の高まりや政府の撤退決定で原発製造大手の同社も方針転換を余儀なくさせられたことを認めたものです。
同社は、風力発電など再生可能エネルギーの国内シェアを20年までに35%にしていくというメイケル政権の政策について「100年に一度の大規模プロジェクトだが達成可能であり支援していく」と語っています。
シーメンス社は、フランス原子力大手アレバとの原発製造の合弁会社「アレバNP」の持ち分を全て売却。ロシアの原発メーカー、ロスアトムとの合弁会社の計画も取り下げることを明らかにしました。政治がやる気になればできるのです。
一方日本では、原発事故の収束と放射能汚染への対策が進まないなか、野田政権は国民世論を無視し、無責任にも原発再開・推進姿勢を明確にしました。
経産省の資料によると、全国の原発建設費は13兆円にのぼり、原子炉建屋は大手ゼネコン5社(鹿島建設・大林組・大成建設・竹中工務店・清水建設)の独占受注です。ゼネコン幹部は「粗利益は2割から3割と高く、最初の建設を受注できれば2号機、3号機と継続して受注でき本当においしい仕事だ」と証言しています。
野田首相は、国民の命と健康・人類の未来より、目先の大企業の利益を優先しました。
さよなら原発
■■■ 作家の大江健三郎さん、落合恵子さん、音楽家の坂本龍一さんら著名9氏が呼びかけた「さよなら原発集会」が19日、東京・明治公園で開催され6万人が集まりました。
また、海外ではドイツの電機大手シーメンスが原発事業から完全撤退することを明らかにしました。これは国として2022年までの原発からの段階的な撤退を決めたことを受けたものです。
福島第一原発事故後、世界の主要メーカーが原発事業からの完全撤退を表明するのは初めてのことです。