「うるせ~ 売国奴、黙れ!」と、街頭で怒鳴られます。決まって秘密保護法や集団的自衛権のことについて話をしているときです。こんなこと今まで無いことでした。チラシを受け取ろうとする市民も萎縮します。
特定の民族や個人に対し、あらゆる手段で差別や人権を侵害する言葉を叫びたてる行為をヘイトスピーチと言います。
国連人種差別撤廃委員会は、日本に関する総括所見(最終見解)を発表し、ヘイトスピーチに対して、政府が法規制を含め、断固として対処するよう勧告しました。
それだけ私たちの身近なところで差別や人権を侵害する行為が着実に増えているのです。
こうした社会情勢を「戦争前夜と似ている」と、警鐘を鳴らす声まで出てきました。
かつて朝日新聞の記者であった時に書いた記事に問題があるという不当な理由から、大谷地にある北星学園大学の非常勤講師に対する卑劣な攻撃が続けられている実態が明らかとなりました。
「なぶり殺しにしてやる」「辞めさせないと学生を痛めつける」「ガスボンベ爆発だ」などの脅迫状や誹謗中傷のメールが集中し、大学の日常業務にも支障をきたす状況だと言われています。
さらに攻撃はエスカレートし、インターネットで大学講師の子どもさんの実名と顔写真をさらし、「死ねばいい」「日本から出ていけ」とまで言っているのです。
戦後50年、節目の年に北星学園は「…戦争で、アジアの人々に与えた多くの被害・苦しみを痛感し、その責めにこたえていくことが、ともに同時代に生きるものの責任と考えます。これまでの不十分な戦後の歩みを反省し、新しい時代の平和をつくる学園として歩む」という平和宣言を国内外に公表しました。
また、2003年末、自衛隊のイラク派遣を政府が閣議決定した際には「…未来に生きる生徒・学生を戦場に送らないため、戦争行為を正当化するいかなる政策にも反対し、平和を実現する教育を貫き通す」ことを声明文として表明しました。
北星学園への異常ともいえる攻撃は、同学園が歴史の真実に学び反戦平和を貫く学風と無関係ではないと思います。
侵略戦争に反省せず「アジアを開放する正義の戦い」だったと歴史を塗り替えようとする勢力から、民主主義と平和を守るたたかいは、私達の地域でも激しくなっているのです。
札幌市議会では、日本共産党の宮川潤議員がこの問題を代表質問で取り上げ、上田市長は「…そのような行為が、当然のことながら許されるものではない…北星学園大学におきましては、このようなものに屈してはならないということをエールをおおくりしたい…」旨の答弁がされました。
攻撃の実態を明らかにするとともに、多くの人と連帯した運動で卑劣な攻撃をはねかえさなければなりません。
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