従業員のマイナンバー記載に個人情報の漏えい危惧
「マイナンバーの記載はすべきでない」
日本共産党札幌市議団が記載中止を要請
総務省は新年度から、個人住民税の「特別徴収」を徹底すると同時に、不調なマイナンバー制度を普及させるため、市町村税などの「特別徴収額の決定通知書」にマイナンバーの記入欄を設け、従業員のマイナンバーを記載するよう各市町村に指示しています。しかし、システム改修費に莫大な事業者負担があること、情報漏えいを心配する個人が事業者にマイナンバーの提出を拒否する事例も少なくないことなど、「安全管理義務」の負担と厳しい罰則を避けるため、マイナンバーを扱わない選択をしている中小事業者も全国で数多く存在するというのが実態です。
「通知書」にマイナンバーを記載させることは、こうした個人と事業所の意思を無視するものであり、情報漏えいの危険と事業者への新たな負担を強いるものです。また、行政にとっても、誤配達の防止やマイナンバーの管理者でない者が知らずに開封し、他人のマイナンバーを知ってしまう事故を防止するために、確実に管理者に手渡される郵送方法と対策が求められ、自治体独自の終わりなき対策と新たな事務負担は膨大なものとなります。
国は「通知書」に個人番号を不記載で送付しても自治体へのペナルティーはないこと、税法上の罰則規定もないとしています。しかし1月24日の「通知書」への個人番号記載の中止を求める共産党市議団の要請に対して、札幌市はマイナンバーを記載し、2500万円もかけて簡易書留で「通知書」を事業所に郵送する方向性を明らかにしました。「通知書」に個人番号を記載する予定の自治体でも、今年になって不記載にする自治体もあり、東京23区では個人番号を記載しない方向で検討に入っているという情報もあります。国の言いなりにマイナンバー制度の活用にひた走る市の姿勢は問題です。
この内容をビラで配布すると、事務所には「市民には何の利益にもならないマイナンバー、戦前の文民統制につながるようなことには、廃止に向けて、奮闘してほしい」と電話が来ました。
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